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自律神経失調症との付き合い方

自律神経失調症を患ってしまったら、まずは自分に合った治療法見つけて回復を目指すことが大切ですが、この病気は生活環境や性格・体質に起因することが多く、原因の除去・状況の改善が大変難しいため、結果として、多くの場合は完治までに時間がかかったり、一度治ってもまた再発してしまいます。そのため、自律神経失調症が回復するまでの間、この病気と向き合ってうまく付き合っていく術を見つけることが求められています。

 

自律神経失調症は、その症状が一人一人違うように、原因もまた一人一人異なります。自律神経失調症とうまく付き合っていくためには、まずは病気の発症の原因となったものが何であるかを突き止め、理解した上で、その原因となる問題点の除去もしくは改善に努めることが大切です。

 

自律神経失調症は、いろいろな原因が複雑にからみあって発症すると言われていますが、主に以下の5つの要因に大別されています。下記の要因を1つずつ見て行きましょう。

 


 

自律神経失調症の種類

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ライフスタイル

自律神経失調症の原因の1つとして挙げられるのが、ライフスタイルの影響によるものです。具体的には、生活習慣の乱れ、不規則な生活(夜型生活)、偏った食生活、睡眠不足などです。人間の体の自然な働きとして、日中は自律神経のうち心身を活動的にする機能をもつ交感神経が活発に働き、夜になると心身をリラックスさせる機能を持つ副交感神経が活発化しています。それにも関わらず、昼・夜逆転の生活を長く続けていると、この自然なリズムが乱され、交感神経と副交換神経のバランスが崩れてきます。これが自律神経失調症のはじまりとなります。

 

毎日数時間しか眠らず慢性的な睡眠不足である人も自律神経失調症を患いやすくなります。栄養が偏った食生活、過度な疲労も同様です。 このタイプの自律神経失調症の場合は、生活環境や食生活、生活スタイルを改善することで、早い回復を見込むことができます。

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ストレス(身体的ストレス・心理的ストレス)

自律神経失調症の原因として最も多いのがこのストレスです。ストレスには、季節の変化、長時間通勤、病気や怪我などの身体的なストレスと、人間関係の不和、失恋、仕事上のプレッシャー、経済的困難などの心理的ストレスがあります。もともと自律神経失調症になりやすい体質や性格の人は、少しのストレスでも発症してしまいがちですが、体質的、性格的な要因を持っていない人であっても、過度のストレスが長期的にかかると自律神経失調症を発症してしまいます。ストレスが自律神経失調症の最大なる原因であると言うことができます。

 

ストレスが自律神経失調症を引き起こす理由は、大脳皮質の内側にある本能的な欲求や感情を司る大脳辺縁系において、憎悪・怒り、悲しみ、欲求不満などの情動が発生することで、大脳辺縁系の下にある視床下部の働きに悪い影響を及ぼすためです。この視床下部こそが交感神経と副交感神経という2つの自律神経をコントロールする場所であり、この自律神経のバランスが乱れることで、自律神経失調症が引き起こされます。

 

このタイプの自律神経失調症の場合は、ストレスの原因を排除することで回復を見込むことができますが、もともと体質・性格的に自律神経失調症になりやすい人はこの限りではありません。

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体質

自律神経失調症の原因の1つとして挙げられるのが生まれ持った体質によるものです。生まれつき体が弱い、胃腸が弱い、疲れやすい、体力がない、血圧が低い、アレルギー体質、環境が変わると眠れないなど自律神経が過敏な人は自律神経失調症を患いやすい体質です。女性の場合は、生理不順や生理痛が激しい人も該当します。こういった体質の人は思春期や更年期、免疫が弱っているときなどに自律神経のバランスが崩れやすく、自律神経失調症になりやすいと言えます。

 

このタイプの自律神経失調症の場合は、原因となっているのが生まれ持った体質であるため、体質を無理矢理改善・強化することは難しく、そのため発症する前の事前の予防が有効と言えるでしょう。また。普段から出来る限りストレスの少ない環境を作る必要があるでしょう。

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性格

自律神経失調症の原因の1つである体質とともに挙げられるのが、ストレスに弱い性格です。ストレスに弱い性格の例としては、人の評価を気にする、完璧主義、常に頑張りすぎる、依存症、ネガティブ、真面目・几帳面、固執しすぎる、断れないなどの性格を挙げることができます。これらに該当する性格の人は、強度のストレスを溜めやすいため、自律神経失調症になりやすいと言えます。

 

こういった性格の人は、自分の性格が災いして知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでしまうので、気がつくと自律神経失調症が発症していた、というケースが多いでしょう。

 

このタイプの場合は、原因となっているのが自分自身の性格や性質であるため、なかなか自分の性格を変えることは難しく、そのため発症する前の事前の予防が有効であると言えるでしょう。また、普段から出来る限りストレスの少ない環境を作る必要があるでしょう。

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ホルモンバランス

女性の場合は、ホルモンバランスが乱れることが原因で自律神経失調症になることがあります。特に、閉経前後には卵巣の機能の衰えとともに女性ホルモンの分泌が減少するため、ホルモンバランスが大きく崩れます。ホルモンの分泌を促す大脳の視床下部は自律神経も司っているため、女性ホルモンの分泌量低下は自律神経のバランスを乱してしまいます。結果、自律神経失調症となりさまざまな病状を引き起こします。女性ホルモンの減少は、骨量の低下(骨粗そう症)、コレステロールの増加、糖尿病、生活習慣病などの原因にもなります。

 

このタイプの自律神経失調症の場合は、更年期障害を発症している時期が終われば自然と正常に戻りますので、焦らずに自分に合った治療方法、セルフケア、民間治療、エクササイズなどを見つけて、自律神経失調症の回復・改善に努めると良いでしょう。

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