自律神経失調症の種類
自律神経失調症は症状の種類・程度、身体症状・精神症状の違いなどを基準に、以下の4つのタイプに分類されています。
■本態性型自律神経失調症
生まれつき自律神経の働きが乱れやすい体質で、幼少の頃から自律神経失調症の症状が見られます。発症の原因は心因・精神的なものではなく、生まれ持った体質(低血圧、虚弱体質など)に起因する自律神経失調症のタイプです。
■神経症型自律神経失調症
自分の身体や精神に関して敏感な人が、心理的・精神的なことが原因で発症する自律神経失調症のタイプです。自律神経機能検査では異常が見られないものの、神経症ではなく自律神経失調症と診断されます。
■心身症型自律神経失調症
感情の変化や肉体疲労など、日常生活のストレスを無理に抑えることにより発症するケースが多い自律神経失調症のタイプです。自律神経失調症と診断される患者の約半数がこのタイプであると言われています。症状の種類や程度の重さはさまざまなのが特徴です。
■抑うつ型自律神経失調症
ストレスの慢性的な蓄積が原因で発症する抑うつ型自律神経失調症のタイプです。抑うつの症状が身体的な病状に隠れて発見されにくいのが特徴です。

自律神経失調症と関係の深い病気
自律神経失調症の症状が特定の部位・器官などの顕著に現われた場合は、別の病気と診断されることがあります。以下の病気は、自律神経失調症の症状の一種あるいは一部であると判断できます
■循環器系----心臓神経症、不整脈、起立失調症候群、起立性調節障害
■呼吸器系----過呼吸症候群、気管支ぜんそく
■消化器系----過敏性大腸症候群、胆道ジスキネジー、神経症嘔吐症、反復性臍疝痛、神経性下痢、神経性胃炎
■神経系------偏頭痛、緊張性頭痛
■耳鼻科------ 眩暈(めまい)、メニエール病、咽喉頭異常感症
■口腔外科----口内異常感症、舌痛症、顎関節症
■皮膚科------円形脱毛症、発汗異常、慢性じんましん
■泌尿器系----膀胱神経症、夜尿症、心因性排尿障害
■婦人科------更年期障害、月経困難症

自律神経失調症の症状と似ている病例
以下の病気は、自律神経失調症と似た症状を起こすものです。自律神経失調症と同じ病状あっても、検査で異常がない場合は、自律神経失調症の疑いがあると言えます。
■癌----------さまざまな病状が似ています。また癌の種類によっては、うつ病も発症します。
■糖尿病------倦怠感、疲れやすい、喉が渇くなどの症状が現れます。
■貧血--------倦怠感、疲れやすい、動悸・息切れなどの症状が現れます。
■バセドウ病---大量の発汗、動悸、血圧上昇などの症状が現れます。
